周期表―成り立ちと思索 (科学史ライブラリー)電子ブックのダウンロード

周期表―成り立ちと思索 (科学史ライブラリー)

エリック シェリー / 本

周期表―成り立ちと思索 (科学史ライブラリー)電子ブックのダウンロード - エリック シェリーによる周期表―成り立ちと思索 (科学史ライブラリー)は朝倉書店 (2009/10/1)によって公開されました。 これには338ページページが含まれており、本というジャンルに分類されています。 この本は読者からの反応が良く、1人の読者から5の評価を受けています。 今すぐ登録して、無料でダウンロードできる何千もの本にアクセスしてください。 登録は無料でした。 サブスクリプションはいつでもキャンセルできます。

周期表―成り立ちと思索 (科学史ライブラリー) の詳細

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タイトル
周期表―成り立ちと思索 (科学史ライブラリー)
作者
エリック シェリー
ISBN-10
4254106440
発売日
2009/10/1
カテゴリー
ファイルサイズ
20.59 (現在のサーバー速度は19.57 Mbpsです
周期表―成り立ちと思索 (科学史ライブラリー)電子ブックのダウンロード - 内容(「BOOK」データベースより) 周期性に魅せられた科学者たちの物語。教科書でもおなじみの「周期表」が形成されてきた過程には、数々の壮大なドラマがあった。周期性の本質とは何か?化学だけでなく、多分野の科学者たちの、終わりなき挑戦。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 馬淵/久夫 1930年東京都に生まれる。1955年東京大学大学院化学系研究科博士課程修了。現在、学校法人作陽学園理事、くらしき作陽大学名誉教授、東京文化財研究所名誉研究員、中国科学技術大学客員教授。理学博士 冨田/功 1933年東京都に生まれる。1958年東京大学大学院化学系研究科修士課程修了。1986年お茶の水女子大学理学部教授。現在、お茶の水女子大学名誉教授。理学博士 古川/路明 1933年東京都に生まれる。1958年東京大学大学院化学系研究科修士課程修了。1995年名古屋大学理学部教授。1997年四日市大学環境情報学部教授。現在、名古屋大学名誉教授、理学博士 菅野/等 1941年福島県に生まれる。1968年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。1984年明星大学理工学部教授。1986年防衛大学校教授。現在、横浜市立大学客員教授、関東学院大学非常勤講師、理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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本書は、周期表がいかにして発見、確立し、現在の姿に至ったか、そして量子力学の発見によってもお払い箱にならず、なぜ周期表は今なお重要なのかを見せてくれる一冊である。周期表はメンデレーエフが確立した、という説明はよくなされるが、本書を読めばそんなに単純な話ではないことが分かるだろう。周期表は今見ると当たり前のものにも見えるが、そもそも元素が全部見つかってなかった以前に、元素という基礎構成物が存在するのかさえよく分かってない(粒のような一つのものがあるのかさえ不明)状況で、その原子量や化合物の化学式、何が単体かさえ分かっていなかった、あるいは非常に精度の粗い測定しかなかった状況なので、周期表に至るのは決して単純ではない。デーベライナーの三つ組(二つの元素の原子量の平均がちょうど三つ目の元素の原子量になる)の発見、グメリンによる大幅な拡張と周期の提案、レンセンによる三つ組による網羅と(結果的には正しくなかった)予言などがなされている。単に量的な関係に着目するだけでなく、化学の定性的な側面もすでに重視されている。また、レンセンの予言は結果的には外れたものの、周期に基づく予言ということが早い時期から行われていることを示している。ゲーリュサックの整数比の観察事実、アボガドロによる二原子分子の存在の提唱(これは不明瞭で、あまり受け入れられなかった)、カニッツァロによるアボガドロ仮説の革新などにより、緩やかに原子量測定や元素理解は進められた。本書では、周期表の最初の発見者として、地質学者ド・シャンクールトワが挙げられている。化学よりも地質学によっていて、また残念なことに出版論文で図が削られてしまったので印象を残さなかったが、彼のらせん構造に配置する元素周期は、化学的性質が原子番号について周期的に表れるという周期表の本質をとらえている。また、ニューランズは元素に対して(原子量のような連続数ではなく)原子番号のような序数を割り当て、またオクターブ則のような周期構造を提案している。他にも、オドリング、ヒンリックス(彼のらせん構造は独特で、多くの成功を含むが検討を要する)、また著名なマイヤーなどが周期表を提案している。特にマイヤーは様々な側面でメンデレーエフの先をいっており、元素の水平関係の確立や、周期構造が明確な原子量ー原子容プロットなどを行っている。メンデレーエフは最も積極的に周期表を擁護し、その精密化にエネルギーを注いだ点には間違いはないとされている。メンデレーエフは科学的知識も多く持っており、その他の周期表提唱者が曖昧にしか書いていなかった要素を明確に書き表しているのも重要な点であろう。グラファイトとダイヤモンドのように、同じ炭素単体であっても異なる性質を示すものはいろいろあるが、その中で不変なものとして原子量に着目しそれを基礎に置いたのも慧眼であった。メンデレーエフは還元主義者かという問いには、彼は普通の物理還元主義(元素自体が電子や陽子などのような基礎的なものの組合せでできている)には反対しているが、弱い還元主義(多様な元素の組合せで化学物質は出来ている)は擁護していたようだという解釈を示している。さて、メンデレーエフというと周期表の予言能力がしばしば強調されるが、彼は当たっていたのと同じぐらい外れていた予言(エカ・セリウム、エカ・ヨウ素などの存在しない元素の予言)も行っている。特に外挿については間違いが多く、水素より軽い元素の予言(エーテルはこれではないかと考えたようである)を行っている。アドホックに見える処理は成功した場合も失敗した場合もあり、ウランの原子量を2倍にしたり(これは正しい)、テルルとヨウ素の原子量反転を「測定精度が悪い」と否認したり(これは正しくない。実際逆転が起きており、多くの化学者も混乱した)、予期されなかった希ガスのアルゴンが発見されると「これは窒素三つの三原子気体だ」と強弁したり(もちろん正しくない)した。予言能力が周期表受け入れの要因として語られることが多いが、例えば彼へのデーヴィーメダルの引用文では予言にはほとんど触れられておらず、周期表による元素の適切な位置づけや既知元素の再配置の意義について本書では強調している。その後は、放射線の発見、原子番号の意味の理解(これにより本当の欠番がどこかが確実になった)、同位体の発見(確かにこれは難しい)、などと続いている。量子力学からどのように周期表の構造が出てくるのかという問題は、特に原子番号が大きくなるほど様々なイレギュラーな事態が発生するので、実はいまだに解決していない部分も多いという。例えば、マーデルング則やフント則などは基本中の基本ながら、量子力学できちんと導くことはできていない。電子がどの順番で入っていくかというのはいまだに大問題なのである。ただし、本書ではパウリの排他律を「量子力学で説明できない」としていたが、これは誤りであろう。同種粒子性からボソンとフェルミオンしか存在せず、後者が同じ状態を複数粒子が取れないことは導ける。スピンを加味して同じ状態を二つの粒子がとる点について言っているとすれば、これは「なぜスピン1/2は2次元のヒルベルト空間なのか」という問いになるが、この事実は角運動量代数の構造から2次元ヒルベルト空間であることは説明できる。周期表形成史として先人たちの悪戦苦闘が出ていて非常に面白い。細かい話も多いので、サクッと知りたい人は同著者のダイジェスト版的位置づけである周期表を読んでみるといいだろう。化学や周期表に関心のある人には、その視野が広がるいい一冊だと思う。

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